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2011年4月11日 (月)

75-パックさんの発明。

〈浮きガス祭りの期間中は休みます〉と書かれた札がとびらにかけられています。
とびらを開けると長いジグザグの階段が、延々と上まで伸びています。
リカ機関長はチラッと上のほうを見てため息をつきました。
所長室は研究所のてっぺん、地上からおよそ15エダットほど上にあるからです。
所長やパラソラはヒヨケザル族だからこんな昇り降りは平気・・・っていうよりお得意かもしれないけど、私にはちょっとね、とやや気がめげそうなようすです。

「リカ、何してんだ。みんなこれで行くんだよ」
と、外からパックさんが呼んでいます。
外ではヒーゲル先生もこどもたちも、研究所の裏にある、屋根のついたオリのようなものの中に集まっています。
見ると屋根には丸いボールのようなものが四つ付いていて、遊園地にあるゴンドラのようにも見えます。
「まあ!なあに、これ? 初めて見るわ」
「おれが考えて作ったんだ。すごいだろ」
パックさんが胸をそらして昇降口の横に立っています。
「だからナンなの、これは?」
75 リカ機関長も乗り込みながら、このゴンドラのようなものの中を注意深く観察しました。
ゴンドラの真ん中に、一本の棒・・・ツタのようなものが床から天井まで貫いているのがわかります。
「ウォッホン! 名付けて“浮きガスエレベーター”」
パックさんは得意げな顔をしています。
「えっ?浮きガス、エレ、エレ・・・」
初めて聞く名前にみんなはぽかんとしています。
エレベーター、とパックさんがもう一度言いながら床のレバーを倒すと、ゴトン!と揺れてゴンドラ全体が地面から浮き上がりました。

おーーっ。
こどもたち全員のどよめきが天井にこだましました。
周りの景色がゆっくり下に向かって動いていきます。
ちょっとめまいのようなものを感じたコトやコロン、ポンゴ、コンラッドは手すりにしっかりつかまっていますが、怖いわけではなさそうです。

「見直したわぁ、パック。浮きガスの風船付きゴンドラ」
リカ機関長も感動しているようすです。
「だから、浮きガスエレベーターだって」

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