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2011年2月16日 (水)

70-ラプスビーチの午後。

島の人たちがラプスビーチと呼んでいる白い砂と遠浅の海岸。
そこには浮きガス祭りを目当てに訪れたたくさんの人が、やしの木の木陰でのんびりと午後のひと時を過ごしていました。
もちろん、入り江の外の海では波乗りを楽しんでいる人たちもいます。
中でもひときわ目を引いているのが、マングラップサイの波乗りです。
大きなからだをじょうずにあやつって、白い大波を背にしながら岸のほうに向かってくるようすに、浜辺で見ている人たちが大きな拍手を送っています。

「すっごいわねー。あんな大きなからだでどうして沈まないのかしら?」
ユキがハーネルに話しながら手をたたいています。
「板がさらに大きいからだろ。
あー、おれも自分の波乗り板があったらなー・・・。
おれだってあれくらいのことはやれるのに!」
ハーネルは憧れと悔しさが半分半分、といった表情でサイの動きに見入っています。
カケローニ先生から釘を刺されているので、こどもたちは砂浜に近い浅瀬の海で泳いでいます。
それでもマホロバニカの海では見たこともない、色鮮やかな魚たちが目の前を優雅に泳いでいるのを見つけては、歓声を上げて喜んでいます。

70 ヒーゲル先生ご苦労さまという声で目を開けると、リカ機関長が手になにやら大きなかたまりを二つ持ってこちらにやってきます。
「あ、すみません。
お昼寝の最中だったかしら?」
かたまりの一つをヒーゲル先生に手渡しながら、機関長はヒーゲル先生の横のイスに腰掛けました。
「ああ、機関長。かまわんよ。
子守りに疲れてついうとうとしてしもうたわい」
とあくびをしながら、かたまりを受け取りました。
「なんじゃね、これは」
「ラプスビーチ名物、ココナッツミルクですわ。
ほら、そこの売店に並んでいる」
リカ機関長が指さす先には大きな字で“ラプス・パラダイス”と書かれた派手な看板があります。
お土産品を並べた売店の奥にレストランがあって、そこで出しているココナッツミルクが、この島の中で一番おいしいんですの、と付け加えることを忘れません。

「ところで機関長、なぜここに?」
ココナッツミルクのストローに口をつけながらたずねるヒーゲル先生に、
「船長たちの情報収集が思ったほど進まないので、これから浮きガス研究所にも足を伸ばそうかと思って」
と、リカ機関長はこれまでの経緯を説明しました。

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コメント

こんばんは(*゚▽゚)ノ

ハーネルは何となくやりそうですね。
どこかから木の板を拾ってきて・・・
調子に乗って最後にはいつもカケローニ先生に叱られてる。

でも、そんなハーネルの性格が可愛いと思ってしまう。。。
いつも気になって目が離せないですね!

投稿: ナカムラ | 2011年2月16日 (水) 18時45分

そうです。
ハーネルはグラスボードが得意なので、サイのサーフィンを見て悔しくって悔しくってしょうがない。
叱られても叱られてもめげずに頑張って欲しい!
ちょっとほかのキャストがかすんできてしまったので可哀想ではありますが・・・。

投稿: ミム | 2011年2月16日 (水) 23時10分

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