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2011年2月14日 (月)

69-成果なし。

「いやあ、まいりました。
聞き込みの成果がないうえに、会話のテンポがまるで合わず、疲れました」
カケローニ先生は食糧の積み込みを終えてから、発着場周辺の通りなどでも聞き込みをしましたが、まったく成果がありませんでした。
オデッセイに戻ったカケローニ先生とピット船長、そしてリカ機関長がキャビンのイスに腰掛けながら報告をしあっています。
「船長のほうはいかがでしたか?」
「わたしも整備員以外にタワーホテルの関係者にも聞いてまわりましたが、状況は同じです」
「わたしは、以前研究で来たときお世話になった浮きガス研究所の人たちへのあいさつをかねて、これからオオミツボガズラの樹林に行ってきます。
向こうでも聞き込みをしてまいりますわ」
立ち上がりキャビンを出て行こうとする機関長をカケローニ先生が呼び止め、ビーチのこどもたちとヒーゲル先生のようすも見てきてほしいとたのみました。
「すまんことですが、なにしろわたしは島の地理に不案内で。
わたしはこのあと、地理のわかるこの周辺の商店街などで聞き込みをしてみようと思っとります」

69 「機関長、こどもたちにビーチで、例のココナッツミルクをご馳走してあげてはいかがかな?
ついでに、自然の中の浮きガスの樹を見せてやったら大いに喜ぶと思うが」
ピット船長からココナッツミルクと聞いて、機関長の目が一回り大きくなりました。
「カケローニ先生、かまわないでしょう?
オオミツボガズラの樹林見学も」
「もちろんです。
わたしも船長に、その許可をお願いしたいと思っとったところです。
リカ機関長、ひとつよろしくお願いします」
〈ただし、こどもたちにはまだ“あのこと”は知られないように〉と船長は念を押し、機関長を見送りました。

「飛行船の点検整備が完全に終わるまで、わたしはここを離れるわけにはいかないので、カケローニ先生、ご苦労をおかけしますが、街での聞き込み、よろしくお願いします」
ピット船長はカケローニ先生を送り出したあと、〈あとはワタリノフ君からの情報だけだ〉と、彼の帰りを待ちました。

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コメント

こんばんは(*゚ー゚*)

カケローニ先生は天然だけど、相変わらず芯はシッカリ者ですね。
情報収集は、子供にも聞いてみるといいですよ!大人が気づかないことを見ていたりするので・・・
早く情報が手に入るといいですね。。

今日はバレンタインですが、チュチュやコロンはハーネル達に渡したのかな?
三浦先生の仕事場はチョコだらけで歩く隙間がないですっ!

投稿: ナカムラ | 2011年2月14日 (月) 18時01分

虫歯になりそうで・・・というのはまったくなくて、さっぱりしたものです。

ところでコロンたちの住んでる星ではそういう習慣はないみたいですよ。
バレンタインって、宗教に端を発しているらしいのですが、この星にはいわゆる西洋的な神様に相当する概念がなく、あるとすれば自然崇拝でしょうか。
精霊は自然界の大いなる存在としてあがめられてはいると、ブライトン校長から聞いたことがあります。

投稿: ミム | 2011年2月14日 (月) 23時00分

こんばんは

自然崇拝、自然そのものが三浦先生がこのブログを通して伝えてる大切な想いですよね。そのことを忘れないように更に読み深めていきます。何となくこの世界にはシャーマンがいそうな気がしてきました。

投稿: ナカムラ | 2011年2月15日 (火) 19時35分

こんばんは。

間の日にもコメントを寄せてくださりありがとうございます。

>更に読み深めていきます。
いやぁ、そんなに大それたものではないのでくすぐったいです。
気楽に楽しんでください。

投稿: ミム | 2011年2月15日 (火) 21時50分

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