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2010年12月 8日 (水)

42-風の道。

「こんちは。自分は一等航海士のテツヤーノ・ワタリノフ。
渡り鳥キョクアジサシ族。
自分は自分のつばさで何度も南極に行ってるんで、安心して飛行をまかせてくれ。
ホントは自分のつばさで飛ぶ方が性にあってるけどね」

ちょっとぶっきらぼうですが経験は確かなようです。

「気流の確認ってなんですか?」
と、さっそくトビーが質問しました。
「お、君が例のお騒がせ君か」
「違いますよ。それはあっち、弟のハーネルで、
ぼくは兄のトビーです」
「そうか、そいつぁ失敬した」
「あんなガキと一緒にしないでください」
とハーネルを指さしながら不満そうに答えました。
ハーネルもすかさず
「ガキってなんだよ。お前と同じ年じゃねえか」
とトビーをにらみながら言いかえしています。

42 「よさないか二人とも。
ワタリノフ航海士に質問の最中なんだろ」
カケローニ先生のひとにらみで二人が静かになったので、先生はワタリノフ航海士にさきほどの質問の答えをうながしました。

「風の流れを肌で感じることさ」
「風の流れ?」
「そう。地上に川があるように、空の上にも目には見えないけど大小さまざまな川があってね。
大きな気流を“空の大河”って呼んでる。
風、つまり空気の流れる道を見つけ出し、そこにうまく飛行船を乗せなきゃならない。
流れは季節やその付近の地形なんかで変化するからやっかいでね」

「気流って見えるんですか?」
とトビー。
「水の流れのように目には見えないから、直接自分の肌で感じるようにするんだ。
自分たち“空の種族”はもともと風の流れを読んで生きてきたからね。
特に渡り鳥族は大河をよく知ってるのさ」

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コメント

こんにちは^^
今、読ませていただきました。
今回も面白かったです!
この世界には人間世界と同じように法律とかありそうな感じしますね。
人間と同じような頭脳を持った動物・・ということは、人と同じようにときにはズルイことも考えたりしますか・・?
でも三浦さんの描く登場人物は凄く純粋な感じがして大好きです!!

投稿: ナカムラ | 2010年12月 9日 (木) 17時40分

ナカムラさんへ。
本日もコメントありがとうございます。
鋭い推察ですね。
次回以降は、その世界のそういった決まりごとみたいなことを掲載予定だったので、ちょっとびっくりです。
ぜひお楽しみに!!!(ミム)

投稿: ミム | 2010年12月 9日 (木) 18時19分

あーやはり決まりごとみたいなのがあったんですね。いつ出てくるのか楽しみにしていたんですよ!
架空の世界に法律みたいなのがあると物語により重みが増しますよね。
後、前に水滴の絵を見て三浦さんは凄く心の中が綺麗な人なんだと感じました。
いつまでも自分の想いを信じて頑張ってください^^

投稿: ナカムラ | 2010年12月 9日 (木) 18時39分

暖かい励ましのコメント、恐縮です。
がぜん勇気がわきます。
ありがとうございました。(ミム)

投稿: ミム | 2010年12月 9日 (木) 18時56分

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