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2010年10月

2010年10月29日 (金)

自然素材の仕事-4。

これまでやった主だった自然素材の仕事の続編です。(ミム)

■ポストカード
2008 「子年年賀状」(2008)
20092 「丑年年賀状」(2009)

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2010年10月28日 (木)

31-船内見学ツアー。

「では、それぞれ手荷物を自分たちの部屋に置いたら、部屋の前の通路に集合だ。
われわれの部屋は2階部にあるので、その階段をあがって行動開始!」
カケローニ先生はてきぱきと号令をかけます。

「航海士はまだ奮闘中なので、先に動力室を案内しよう」
操舵室からもどった船長が言いました。
動力に関する重要な役割について質問したトビーはとても嬉しそうです。
動力室はもう一つ上の階、3階部にあるので、船長の誘導で階段を上がりました。

「このとびらの向こうが動力室だ。
この飛行船の心臓部であると同時に、頭脳とも呼べる大変重要な役割をになっている。
これから先はケミストン機関長におまかせしよう。
わたしは操舵室のようすを見てくるので、あとは機関長の指示にしたがうように」
そう言い残し、船長はさらに上への階段を上がっていきました。

「このとびらを開けるとまず小さな部屋があってそこにもう一つとびらがあるの。
つまり二重とびらってことね」

「とても厳重なんですね」
とコロンが言いましたが、ほかのみんなもそう感じています。
「ナンか秘密の部屋って感じだよな」
「ええ、大変な“秘密”よ。
でも二重とびらにしているのはほかの理由からよ」
こどもたちの好奇心はますます高まります。

「入る前にみんなこれをつけにゃならんぞ」
みんなが振り向くとヒーゲル先生が、いつの間にか手に何やらマスクのようなものをたくさんかかえて立っていました。

31 「使い方はこうじゃ」
そう言ってマスクのようなものを一つ手に取り、鼻や口をおおいました。
「簡単じゃろ」
声がこもって聞こえます。
「何ですかそれは?」
「どうしてそんなものをつけるの?」

「これは一種の呼吸器じゃな。
酸素マスク、とも言うがな。
理由は動力室の中で説明するが、まずはみんなサイズの合うものを選んでつけることじゃ」
トビーやハーネルは嬉しそうにつけ始めましたが、コロンやチュチュは好奇心を通りこして、なんだか怖くなってきました。

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2010年10月26日 (火)

自然素材の仕事-3。

これまでやった主だった自然素材の仕事の続編です。(ミム)

■書籍カバー
2007 「ちいさな気づきのひとしずく」(吉田敬岳)
学校法人 自由ヶ丘学園園長の吉田敬岳氏による、絵本や保育、教育問題についての対談集。
メルヘンハウスの店主や絵本作家、ラジオパーソナリティーの天野鎮雄さんらが対談相手です。(2007)

■書籍挿絵
20073 「ちいさな気づきのひとしずく」(吉田敬岳)
上述書籍の本文挿絵の一コマ。(2007)

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2010年10月25日 (月)

30-乗組員補佐。

「いまわたしたちがいるこのキャビンは、明日からはみんなの教室になるので授業が始まったらまずここに集合すること」
と、カケローニ先生がこどもたちに伝えました。

30 「ところで、君たちはオデッセイの乗客であると同時に、実はクルー(乗組員)としての役割もあるんだ」
と、カケローニ先生はこどもたちを見渡しました。

「えっ、ぼくたちが乗組員?」
「つまりわたしも君たちも、船の上では乗組員としての仕事もせにゃいかん、というわけだな」
「やったーっ!
先生、ぼくたちも飛行船を動かせるんですね」

意外な説明にこどもたちは驚きましたが、みんな目をきらきらさせています。

「広い意味ではそうだな。
正確には、動かすための手伝いをしながら、知識と技術を学ぶんだ。
普通の勉強だけじゃなく、大人たちと仕事をしながら、生きるための知恵を身につける。
入学式のときに校長先生がおっしゃていたことをもう一度思い出してほしい。
この学校でいちばん大事にしていることだからな」

「みんな嫌がるかと思ったけど、好奇心のかたまりですな」
船長のほうが、こどもたちの反応に驚いているようすでした。

「さて、いまから船長にオデッセイの中を案内してもらえるぞ」
カケローニ先生がふたたびこどもたちに声をかけました。

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2010年10月22日 (金)

29-副航海士カケローニ。

こどもたちのどよめきの中、カケローニ先生がいつものようにかけだしてきました。
「びっくりした?」
コホンとせきばらいをして、
「わたしが副航海士のスタコラット・カケローニです」

「わざわざ名のらなくてもわかってるってば」
ハーネルひとりがブーイングをしているのをにらみながら、
「海と空の違いはあるけど、わたしは船乗り学校で学んできたので、この船では航海士の補佐役としても仕事をするぞ」

「カケローニ先生、ちょっと威張っている?」
コロンがチュチュにささやきました。

「海と空の違いって・・・、ずいぶん開きがない?」
「なんか強引な設定だよな、これ」
トビーとハーネルもぼそぼそ言っています。

293 「以上で“全”乗組員の紹介を終わります」
と船長があいさつし、三人は敬礼をしてこどもたちを見回しました。

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2010年10月21日 (木)

28-クルーの紹介。

「やあ諸君、オデッセイにようこそ。
いまからこの空飛ぶ船の乗組員を紹介しよう。
わたしは“おひろめ式”で諸君と会っているので省略するとして・・・。
われらがオデッセイのケミストン機関長を」
と言いながらピット船長は部屋の真ん中にある“まわり階段”の方を見ました。
こどもたちもそちらを見ると、優雅な足どりで、ベニシカの女の人が階段をおりてくるところでした。

28 「こんにちは。機関長のリカ・ケミストンです」

「機関長って言うから男の人だとばっかり思っていたわ」
「すてきなドレスよね」
コロンとチュチュはちょっと誇らしい気分になりました。

「彼女の専門は生物と化学だけど、実はオデッセイに限らず飛行船の動力に関する“重要な”役割と関係があってこの任務をひきうけてもらったんだよ」

「動力に関する重要な役割ってどんなことですか?」
好奇心いっぱいのトビーが質問しました。

「詳しいことはあとで話すわ、みんなに」
機関長はほほえみながら答えました。

「次に一等航海士を紹介したいが、あいにくいまは操舵室で仕事中なので後ほど紹介しよう。
なにしろいまは、この船を赤道方面に向かうための風に乗せなければならんのでね。
手が離せないんだ」

「次は副航海士だが、みんなのよく知っている人だよ」
と船長はキャビンの後ろ、いちばん奥を指さしましたが、そこにはヒーゲル先生とカケローニ先生しかいません。
「ヒーゲル先生はお医者さんだからそれはありえないわね」
チュチュがコロンに言いました。

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2010年10月20日 (水)

自然素材の仕事-2。

これまでやった主だった自然素材の仕事の作品も掲載させていただきます。(ミム)

■CDジャケット
2007 「無限の風」(奥田民生)
2008年開催の北京オリンピック野球日本代表(通称星野ジャパン)の応援ソングのCD。
奥田民生氏のオリジナル曲です。
試合は残念な結果で終わりましたが、テンポのいい曲は星野監督もお気に入りで、練習段階から聴いていたと、当時ラジオで言っていました。(2007)

■雑誌挿絵
2008mac 「MacPeople」(アスキー・メディアワークス)
巻頭特集の見開きイラスト。
冒険教室への芽生えがこの辺りから見られます。(2008)

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2010年10月19日 (火)

自然素材の仕事。

自然素材のイラストを使用した仕事があり、このたび形になりました。(ミム)

■広報ツール
2010 「書類ケース」
このブログのトップページに止まり皆さんをお迎えしていましたが、ついに飛び立つことができました。(2010)

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2010年10月18日 (月)

27-第2章のはじまり。

これまでのあらすじ。(01-26)

27 市になって500年目をむかえるミノール市里山地区に暮らすコロン、チュチュ、トビーとハーネルたちは、500周年を記念して造られた飛行船オデッセイ号に乗り、南極のペンギン村まで冒険授業に出かけることになりました。
雪恐怖症に立ち向かうチュチュ。
名医ヒーゲル先生の手当てのおかげで、松葉づえなしでも歩けるように回復した、キツネのコンラッド。
校長先生に代わってつきそいを担当することになったカケローニ先生も加わりにぎやかです。
フワット・ピット船長の指揮のもと、オデッセイ号は力強く大空へ舞い上がりました。

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2010年10月15日 (金)

サツマイモ、アシカ分家のその後。

101015018月17日
101015028月18日
101015038月25日
101015049月6日
1010150510月8日
1010150610月8日
プランターに分家したアシカの方はベランダで成長を続け、プランターの中では収まりきらず、ベランダを占拠しつつあります。
太陽の恵みのおかげで葉もかなり大きくなっています。
101015079月27日
室内組みには見られなかった、虫食いの葉も見られます。
プランターの周りには大量の虫の糞が落ちているので油断がなりません。

心置きなく成長の方にエネルギーを使っているためか、葉の根元に蜜は出ていないように見受けられます。
101015089月27日
葉の色も外育ちらしく野手豊かな風合いで頼もしく見えますが、土の中に、果たしてイモは育ってるのかどうか・・・・・いまのところ不明です。
土への植え付けが2ヶ月近く遅れてしまったため、なんとなく期待薄の模様・・・。

まったくの余談ですが、マルチタレントのいとうせいこう氏が先日NHKラジオの番組で、自らを「ベランダー」と呼び、ベランダで小さな植物を育てるという話をしていました。
その中で観葉ではなく食用系のモノが面白いと言っていたのが興味深かったです。(ミム)

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2010年10月13日 (水)

発見!サツマイモの蜜。

創作童話を連載していた関係で、イモの観察日記をしばらく掲載できずになっていました。
「冒険教室・第1章」が一段落しましたので「第2章」連載の前にはさむことにしました。

1010110210月11日(月)
室内で観察を続けているサツマイモの、葉や茎が時々濡れているで、毎日の水遣りのときに水がかかったのかと思っていました。
触ると、水にしてはべとつくのでよく見てみたら、茎と葉の付け根の辺りから水滴がにじみ出ていました。

毎日けっこうな量が出ているので意を決し、恐る恐るなめてみました。

甘い!!
ハチミツのように甘く、後味がさわやかでいやみな(って、どんな・・・)甘さがありません。
本当に驚きました。
以来、疲れたときなどに指先にとってぺろぺろやっています。
癖になりそうです。

1010110110月11日(月)
写真は見附島ですが、イモの部分は以前のような張りがなく、まるでミイラのようです。
肥料をやるわけでもなく、水のみなので自分の栄養を使い切ったという感じで、ちょっと痛々しい風体です。
盆栽のような姿を保っていますが、さすがに葉の色も全体的に黄ばんできて、そろそろ寿命かもしれません。
写真はありませんがアシカの方は、もう新しい葉を芽吹かせる力もなく、ただ黄ばんだ葉が日を追って枯れおちてゆくばかりです。

春に始めたイモ盆栽に、秋の訪れです。(ミム)

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2010年10月11日 (月)

26-旅立ち。

26 「いってらっしゃーい!」
「いってきまーす!」
「元気でねー」
「カケローニ君、こどもたちをたのんだよ」

おたがい声は聞こえませんが、どちらも小さくなって見えなくなるまで、大きく手を振りながら別れをおしみました。

いよいよ冒険授業の始まりです。

第1章、完。
第2章をお楽しみに。

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2010年10月 8日 (金)

25-迫る時間。

飛行船と丘をつなぐロープがはずされようとしています。
フワット船長が飛行船のとびらをあけてしんぼう強く待ってくれていますが、もうこれ以上は待つことはできそうにもありません。
見送りに来ている校長先生も心配顔です。

ヒーゲル先生が懐中時計を見ながら、
「やはり彼女はむりじゃったかな」
と、つぶやいたとき、道のむこうに小さな砂ぼこりがたちました。
砂ぼこりはモクモクとこちらに向かってきます。

25 チュチュです!
チュチュが必死の表情でかけてきます。

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2010年10月 6日 (水)

24-罰。

丘の上についたハーネルはボードを草の上に置きました。
ひょいと両足をボードに乗せると一気にすべりだしました。
ハーネルはサッカーがじょうずですが、グラスボードも得意です。

24 ところが下にすべり降りる前にカケローニ先生に見つかり、こってりしかられてしまいました。
カケローニ先生も最初が肝心とばかりに、はりきっています。
いたずら好きのハーネルをずっと観察していることを、トビーは知っていたみたいです。
ハーネルが罰として食料など、旅行用の備品を積みこむ手伝いをさせられているあいだ中、トビーは笑いころげていました。

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2010年10月 4日 (月)

23-グラスボード。

23 「ただ待ってるだけじゃ退屈だから、ボードでもしようぜ」
と、ハーネルは愛用のグラスボードをかかえて丘に上っていきました。

「こんなときにハーネルったら、やめなさいよ」
コロンが注意するとトビーが、
「ほっとけよ。おもしろいことになるから」
と、自分は丘の上に行かずにハーネルを見送りました。

「何のこと?」
と、いぶかるコロンに
「いまにわかるよ」
と、トビーはウインクして見せました。

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2010年10月 1日 (金)

22-出発の日。

22 すみわたった空のもと、ついにその日をむかえました。

でもコロンの気持ちは沈んでいます。
親友のチュチュがまだ姿を見せないのです。
「やっぱりご両親やバレーの先生のお許しが出なかったのかしら?」
ヒーゲル先生も心配らしく、道のむこうを見ています。

飛行船にみんなの荷物が積みこまれています。
出発の時刻が迫ってきましたが、コロン、トビーとハーネル、ヒーゲル先生はもう少し丘の下でチュチュを待つことにしました。

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