28-クルーの紹介。
「やあ諸君、オデッセイにようこそ。
いまからこの空飛ぶ船の乗組員を紹介しよう。
わたしは“おひろめ式”で諸君と会っているので省略するとして・・・。
われらがオデッセイのケミストン機関長を」
と言いながらピット船長は部屋の真ん中にある“まわり階段”の方を見ました。
こどもたちもそちらを見ると、優雅な足どりで、ベニシカの女の人が階段をおりてくるところでした。
「機関長って言うから男の人だとばっかり思っていたわ」
「すてきなドレスよね」
コロンとチュチュはちょっと誇らしい気分になりました。
「彼女の専門は生物と化学だけど、実はオデッセイに限らず飛行船の動力に関する“重要な”役割と関係があってこの任務をひきうけてもらったんだよ」
「動力に関する重要な役割ってどんなことですか?」
好奇心いっぱいのトビーが質問しました。
「詳しいことはあとで話すわ、みんなに」
機関長はほほえみながら答えました。
「次に一等航海士を紹介したいが、あいにくいまは操舵室で仕事中なので後ほど紹介しよう。
なにしろいまは、この船を赤道方面に向かうための風に乗せなければならんのでね。
手が離せないんだ」
「次は副航海士だが、みんなのよく知っている人だよ」
と船長はキャビンの後ろ、いちばん奥を指さしましたが、そこにはヒーゲル先生とカケローニ先生しかいません。
「ヒーゲル先生はお医者さんだからそれはありえないわね」
チュチュがコロンに言いました。
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